夢の世界とんがり山選手権・フランス代表 AIGUILLE DIBONA

わたくし、個性的な山が好きなんでして・・・・、特にとんがった山が好きなのですが・・・、もし???世界の山の中でとんがった山のコンテストをやったら???(アホか)、ネパール代表はマチャプチャレだろうし、スイス代表はマッターホルンで決まりでしょ。日本だったら槍だの劔(つるぎ)ですかね?

で、フランス代表は普通にいけばLES DRUS(ドリュー)(→詳しくは《こちら》)あたりでしょうね。

でもそれじゃ有名な山ばかりで面白くないのよね。フランスアルプスには、世界的は無名でも結構面白い山がありまして・・・・、ワタクシが一押しするのが、3131mのAIGILLE DIBONA(詳しくは《こちら》)です。・・・ね、とんがっているでしょ♡♡♡ゴジラがこの山で足を滑らせたら『プスッ!』と刺さりますね、これは・・・。

この山はロック・クライミングの聖地でもありまして、定員1名の山頂に立つ自分を想像してはうっとり、にやにやしていた憧れの山なのですが(注)想像するだけなら自由でしょ?)、ECRINSを見に行った帰りにちょっくら行ってきました。

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まず、昨日泊まったLA BARARDEを朝8:30に出発。(うーーーん、今日も天気がよさそうだぜぃ)

谷の下流にある村・LES ETAGESまでぶらぶら歩いて1時間ほどです。

LA BARARDEにも村の下流にキャンプ場がありますが、景色は6月に行ったGRAVEから見たLA MEIJEのほうが圧倒的にいいよ。

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LE ETAGESの村には何にもありません。ペンション数軒、レストラン2件ほど。

 

 

村を通り過ぎると『山小屋・SOREILLERはこっち』という看板があるのですが、その前には2000m級の岩山がどーーーーんと立っています。14,8dibona-6

『あのねーーー、これを越えて行けというの~~????』(うーーーん、自分にできるかな~~???)

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ちなみにAIGUILLE DIBONAは人が住んでいる村からは見ることができません。でも見ることができない、と言われると見たくなるのが男心でありまして。

気合を入れて登り始めました。ぐいぐい登ると下にVENEON谷がよく見えるのですが、この谷の川はラムネ色というかソーダアイス色というか、青白い色をしています。

これがROMANCHE谷だと黒いし、シャモニだとカルピスみたいに白いし。川の色もいろいろですね。

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登山道は一部が川になっているところもあるのでスティックがあるほうがいいかな。川の横を上ってよく整備された橋を渡ると(C.A.F.さん、ありがとうございます)、急に視界が開けて目の前に遠く見えるのが・・・、頂上は雲がかかっているけれど、間違いなく憧れの山・AIGUILLE DIBONAです!

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『おーーーーーぉぉぉぉぉぉ!!!あれがDIBONA!!! うーーーん♡、やっと会えたね。』ってな感じですね。

この辺りでちょうど半分、標高2000m地点くらいです。この辺りは周りをぐるーーーっと3000m級の山が囲んでいて、カールというか、すり鉢状というか、日本でいうと涸沢(からさわ)みたいな土地ですね。(こちらのほうがずーーっと大きいけど)

 

 

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この周りには滝はいっぱいあって風景は最高なのですが、だんだん標高が高くなるにつれて高度でだんだん身体がおかしくなってくるんですねぇ~。辺りには羊が多くてうんちがいっぱい落ちているのですが、それを避けるたびにヨロヨロ~フラフラ~・・・(初めて2400m辺りで心臓がバクバクなるという体験をしました。これはランニングでいう”低血糖”、山岳界でいう”シャリバテ”という症状だと思うのですが・・・)食料を全く持っていなかったんですね~。(山小屋が見えているけど登れないし・・・)本当にこういうところが素人丸出し、馬鹿ですねぇ~。チョコレートでもビスケットでも持っていれば少しは良かったんだろうけど。

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最後は歩いているよりも休んでいる時間が長くなるほどで。フラフラになって標高2719mの山小屋にゴーーーール。

 

 

 

登ったのは1100mぐらいですから、富士山だと5合目から8合目くらいかな?時間は13:30くらいでしたから、約5時間歩いていたことになります。(ハーフマラソンと同じくらいのエネルギーかな?)

山小屋に入って、山小屋のおばちゃんに『ハア、ハア、ハア、予約しているMITSUです。・・ところで何でもいいから何か食べ物はないかな~?お願い~!』と言ったら、『ミックスオムレツならできるよー』というんでお願いしました。

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この日泊まった山小屋はこんな感じです。

(⇒さらに読む

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ふう~。オムレツとパンで6ユーロ(約860円)、ミネラルウォーター1L(490円)。しかしこんな山の中でお金を払えば食事でもビールでも飲めるというのはありがたいよねぇ~。

やっと落ち着てオムレツを待っている間、おばちゃんはトランシーバーで何やら喚き散らしている?しばらくして(おばちゃん)『10分後にヘ、リ、コ、ウ、が来るよ!』、(周りにいた山男&山女たち)『ウヮーーー!パチパチパチ』・・・・・?山小屋についたばかりで何が起こっているのかわからないワタクシ・・・。

『ヘリコウが来る????? パチパチパチ????』

『何?WHAT? ヘリコウ?HELI COE??ポリ公?・・・』?????

正解は『HELICOPTERE(ヘリコプター)』の”ヘリコー”でした。(フランス語では3文字目に『コ』がつく文字は略していうことが多い。例)二コラ・サルコジ⇒サルコ 、ヘリコプター⇒ヘリコ)

パリに住んでいるとヘリコプターは頭の上から降りてくるものだと思っていましたが、山の中で2700m地点だと山の後ろから急に飛び出して真っすぐこちらに向かって来るのね。

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その姿は『うーーん、ほれぼれするほどかっちょいいぜぃ』。コッポラの『アポカリプス、ナウ』を思い出したね。(戦争映画と比べるのはいけないことかな??)

 

 

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でも山の中で地を這うように飛んでくるヘリコプターを見るのはなかなかできない体験ですね。

 

 

 

山小屋にはヘリポートもありまして、ここに着陸。(”ヘリポート”と言っても岩の上に4m×4mぐらいに岩を積んでコンクリートで固めた台座という感じですが)

救急隊(GENDARMERIE)のヘリはそんなに大きくないですね。乗っているのはパイロットと隊員2名。

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14,8dibona-35このあたりでやっと何が起こったか理解できました。

 

 

 

ワタクシの前に座っているお兄さんは今日の朝、DIBONAの壁で墜落事故を起こして動けなくなったので。で、友人や周りのクライマーたちが協力して山小屋まで降りてきたのだけど自力で下山できないので憲兵隊(GENDARMERIE)を救助に呼んだ、というわけですね。で、ワタクシがオムレツを食べているすぐ目の前で隊員さんが診察をしていましたが、どうやらあばら骨が数か所と腰骨か大腿骨辺りの骨折と一部内臓損傷の恐れあり、だそうで、山小屋から45kmにあるグルノーブル南病院まで運ぶそうです。(これはF1ドライバーのシューマッハーと同じですね)

しかし、笑えたのは、山の友人や周りの人がたいして心配していないことでして、山小屋のおばちゃんなんて、『大丈夫、大丈夫、死にゃしないわよ』なんて言ってるし。

『おおおおーーー!なんというワイルド感!事故慣れしてるんだろうね。しかし、”死にゃしない”なんて、なぐさめになってないっちゅうの!』

こうしてヘリはグルノーブルまで飛んでいきました。しかしまあ、すごいところに来たもんだ。

このヘリコプター事件で完全に登る気がうせてしまった・・・・。

というわけで、ワタクシ、午後は山小屋近くで壁を見ながらのんびりしておりました。

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この壁を登るような人は、室内でホールドを使ってクライミングしている人やフォンテンヌブローの岩をマットを敷いてよじ登っている人と違って、男も女も一流のクライマーでないと登れません。

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14,8dibona-46何しろ、この壁、高さ約400mですから、エッフェル塔より高いよね。

 

 

 

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AIGUILLE DIBONAは山の左側からぐるーーっと裏側に回り込めば登ることができます。2900m地点まではフラフラ行ったのですが、やっぱり素人のおっさんにはこの辺りが限界で、岩の上で昼寝をしていました。かなり疲れました~~。

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で、次の日、8月17日【日曜日】の朝。

うとうとしていたんだけど、朝早く出ていく客に起こされ、6:15分頃山小屋の外に出ると、もう日は上がっていました。が、この辺りは谷の奥の奥なのでまだ日は差していません。

目の前にはVALLON DES ETAGES氷河と3559mのTETE DE L’ETRETがどーーーーーんと立っています。さすがに3500mの世界は雪がかなり残っていますね~。

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ちなみに根性のある若者発見。その① (”屋外でテント泊をする若者”)

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根性のある若者その②(”野宿する若者”)

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このあたり、標高2700mで朝の気温3度くらいなんですけど、勇気あるよねーー。

 

ところで。関係ない話ですが。

日本を代表する山の雑誌『山と渓谷』は1930年に創刊したそうですが、それより4年前の1926年にこのTETE DE L’ETRETに日本人クライマーR.C.C.の藤木九三氏が登ったという記録があります。1926年というと大正15年ごろ、そんなインターネットも雑誌もない時代にどうやって調べたんでしょうかね・・・・?

 

目の前には高さ400mのDIBONAの北壁がどーーんと立っています。(うーん、ここから落ちたら滑落とは言わないわなー墜落だよなー)

日本で言ったら谷川岳みたいなところですかね?ここから落ちることを思えば、ワタクシの去年のバイクでの大事故なんて大したことないよね。ぜーーんぜんOK!・・・おーっとっと。これは冗談です!!

 

山小屋の朝食は6時30分ごろから。昨日シャリバテしたので全部食べました。と言ってもコーヒーとパンとジャムだけだけどね。

山小屋の朝はザイルやヘルメットやガチャモンを付けたクライマーでいっぱい。まるで山の中のダム建設現場の朝のようです。

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7:30分頃山小屋を出て下山するとだんだんDIBONAにも陽が差してきました。

 

うーーーん、

じつにDIBONAは美しい♡

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また会えるかな・・・。

登るときはあんなにバテバテだったのに、帰りはあーーーっという間に下りたのですが、足の先にかなりプレッシャーがあったようで、パリに帰ってから足の爪が1枚はがれていました。

谷間で降りてL’ETAGEの村からST.CHIRISTOPHE EN OISANS までバスで移動。この村は通年で村人が住んでいる村で、このあたりの中心です。

ここにはMUSEE D’ALPINISTEというミュゼがあります。(3ユーロ)

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このミュゼ、アルピニストにはかなり面白いけど、関係ない人にはぜーーんぜんわからないかもね。

ミュゼの前の教会にはお墓があるのですがここは必見。かなりの数のガイドさんが山で亡くなっていて、今日までうろうろしていたDIBONAでも数人なくなっています。ここのお墓はガイドさんのものだけなのですが、実際にはもっと多くの方が山で亡くなっているんでしょうね・・・。

バスが来るまで古い歴史のあるカフェ(100年くらい)で昼食。うーーん、ワインがしみるぜぃ。ここのカフェのおばさんはかなり面白い人です。

バスでブール・ド・オワザン⇒グルノーブル⇒パリへ真夜中に帰り着きました。

今年の山旅行も楽しかったぜぃ!

たまにはこうして一人山の中で『ウオーーーー!!!』と叫んだほうがストレスにはいいよね。

 

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