わたくし、個性的な山が好きなんですが…、ECRINSという山をご存知でしょうか?
ECRINS(エクラン)⇒詳しくは《こちら》
フランス・アルプスはどうしてもシャモニー・モンブラン地区ばかりに高い山がありますが、少し離れたエクラン国立公園にも4000m級の山が一つだけあるのです。同じ4000m級の山でもフランスを代表する山、モンブランとは性格が大違いでありまして・・・・。
モンブランは、例えて言うなら『純白のドレスに身を包み、一年中スポットライトとフラッシュを浴びて世界中から観光客をひきつけるアルプスの雪の女王・世界中の山のアイドルスーパースター』なのですが・・・・、エクランと言えば、同じく4000m級の実力がありながら『純白の法衣に身を包み、名声や人間社会に背を向けて、人に近づくどころか、厳しい自然をたてに人に姿を見せることすらなかなか許さない、1万年以上修行している修行僧のような孤高の山』であります。
この求道者のようなストイックな姿がわたくしにそっくり、というわけで・・・・。
8月の真ん中、お盆の連休にちょっくら見に行ってきました。
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まず、毎度おなじみパリ・リヨン駅7:37分発のTGVでグルノーブルまで約3時間。(料金は25ユーロでした)
グルノーブルでブラブラして昼食。(なんでグルノーブルの駅前には中華料理屋が多いのかね??4,5件ほどあります)
バスターミナルから2ALPES 行のバスでBOURG D’OISINSで乗り換え。(このバス、直行じゃないのでいちいち止まって時間がかかるぜ。ここまで来たお客は6人のみ)
BOURG D’OISINSでBERALDE行に乗り換え。客は3人のみ。
バスはVENEON谷をぐいぐい奥まで行きますが、古い時代の登山の中心だったST.CRISTOPHE EN OISINSより奥の道はすごい道路だね・・・。そもそも車がすれ違えないほど道路が狭いのよ。ガードレールもないし、落ちたら100mほど落ちるのですが、さすがバスのドライバーさんは上手いもんです。カーブで300mほど前も見てるもんね。
谷の一番奥の奥、標高1740mのBALARDEには17:00頃着。
今夜の山小屋は村の中にあるCHALETで、相部屋5人部屋で、室内にトイレ・シャワー・洗面台があって、1泊+夕食・朝食で40.60ユーロ、日本円で5600円くらいですね。
夕食は19:30から。
すぐに飛び出してトレッキングへGO。
BELARDEの村は100年前とほとんど変わっていないように見えるね。レストランが2件、HOTELが2件、食料品屋が1件。
村のすぐ横には2519mのTETE DE LA MAYEがどーーーーーんと立っていますが、この山、まるで岩のおにぎりというか、岩のおはぎというか・・・・、マレーシアのキナバル山みたいな岩のおだんごです。
まだ日が高いので奥の谷にぐいぐい歩いていきましたが、やっぱり国立公園というのはいいねーー。ロープウェイもないし。(CAFEも無いけどさ・・・・)今から約150年前にウィンパーもガスパールもこの道を歩いたんだと思うとけっこう感動したね。プリミティブな自然、ってこんな感じかな?
この日は天気は良いのですが、3500m超の世界は雲がかかって、エクランはなかなか姿を見せてくれません。まあ、遠くから来たんだからちらっ、ちらっ・・と見せてくれるのですが・・・・。
でも最後にちっとだけよーーーと一度だけ見せてくれました。
このルート、2000mぐらいまでは楽ちんで子供も歩いていましたね。
夕食には5分遅刻。でももう始まっていました。みんな一緒に食べないといけないのよ、山小屋だからね。メニューは、まず豆のスープ+グリーンサラダ、メインがジャガイモとオレンジ色の臭いウォッシュタイプのチーズのグラタンとパン、デザートがメロン。掃除も給仕も片づけもほとんどセルフサービス。食後に外に飲みに行ったんだけどそんな店はなくて、山小屋に帰って台所の横のBARでワイン1本飲んで18ユーロ。この辺りは田舎で、外国人のアジア人に話しかけてくる人なんていないのね・・・。こちらからフランス語で話し出すと、「なーーんだ、こいつ、フランス語話せんじゃーーん」とばかりに心を開いてくれるのよ。「おい、ジャポネ、これを飲め」と自家製の酒とか飲ませてもらったけど、この辺りはシャトルーズみたいな薬草のお酒が多いよね。結局ヘロヘロになってバタンキュー。でもエクランも見えたし大満足です。