『S』か?『M』か?と聞かれたら。「マラソンなんて苦しいことを長々と続けるなんて・・・、でも苦しいのが快感だったりする??」。で、「苦しんでる自分が好きかも~」、な私は絶対『M』体質。
そんなM人間なワタクシにうってつけなのが42,195kmのフルマラソン以上の長距離を走る”ウルトラマラソン”なのです。
しかもしかも普通の舗装道を走るマラソンじゃあない!今回は山や森を走るトレイル80kmに挑戦しました!
今年で9回目の開催となるパリエコトレイルは、18km、30km、50km、80kmの4レース(プラス歩きのコースもあり)があって、それぞれパリ郊外のスタート地点から森を抜け、丘を越え、ゴール・エッフェル塔を目指すトレイル大会です。
この大会、2年前に50kmトレイルを走りました。(こちら)この時はまあ問題なく気持ちよく走り切れました。(←・・・って、多分最中はもう嫌だ~苦しい~って思ったはずなんだけど、ゴールすると忘れちゃうんだなぁ)
で、『50km走れたし、次は80kmかぁ~?』なーんて頭のどこかで思っていたけど、『80km』という距離が未知過ぎてなんとなく二の足を踏んでいたんですねぇ。
Jジョギングクラブのトレイル&ウルトラランナーの㋓さん、I籐さんに「走れるかな~?」と聞いてみたところ・・・。
㋓さんは既に何度もパリエコトレイル80キロを走破していて、他にもモンブラン168kmを2晩寝ずに走るもうほとんど『意味わかんねぇ』鉄人トレイルレースの『モンブランウルトラマラソン』やサンス100kmトレイルも走っている本気&本物のトレイルランナー。 ㋓さん→『50km走れたんでしょ? じゃあ、あと”たった30km”走ればいいだけじゃない!』・・・。
i藤さんは42kmのフルマラソンを短くて物足らない感じてしまうというウルトラマラソンランナー。 i藤さん→『80km”くらい”全然走れますよ~~~』・・・・。
・・・と、普通の感覚ではもはや”訳わかんない”ウルトラランナーにかるーーくアドバイスされて、80kmがなんだか大した距離に思わなくなっちゃって、おもわず『えっ?80kmって走れちゃうの?走れるかも?走っちゃう???』・・・・と勢いでエントリーしちゃったんですねーーーー。
というわけで、3月19日パリエコトレイル80kmレース当日。
今回は普通のマラソン大会と違って必須の持ち物リストがあります。(持ち物の点検があると思っていたけど、結局最後までチェックなし)
- 水(1.5L以上)
- 身分証明書
- 携帯電話
- 食糧
- ヘッドライト
- COUVERTURE DE SURVIE・・・ポリエステル製のフィルム 防寒・防熱・防雨・防風・・のため
- 水飲み用コップ
その他持ってきたほうがよいもの・・・(手袋、サングラス、バンダナ・キャップなど・替えの服・靴下・サポーター…等々)
50kmトレイルの時にどの間隔でどれくらいで補水・補食すればいいかわからず(結果的に十分ではなかった)低血糖になって焦りました。その時思いましたね。「ドライフルーツやバナナやソシソンでは力にならん!やっぱり日本人には米だー!」ってね。なので今回はおにぎり、まんじゅう。塩分補給には梅干しを持参。
あれもこれも念のため、と詰めていたらリュックが「お、重い・・・」。これで80kmを走るのは無理と思い、”絶対に必要”なもの以外は極力省きました(それでも約3,5㎏)
スタートはLa base de loisirs Saint Quentin en Yvelines。
RER Ⅽ線でパリから乗っていくと途中から電車の中はほぼ全員がパリエコトレイル参加者になっていました。
『VERSAILLE CHANTIERS』を過ぎたころ、「こちらは車掌です。パリエコトレイル参加者の皆さん、元気ですかーー?準備は万全ですかーーー?みなさんが無事ゴールされることを祈っています!グッドラック!!」という気の利いた車内アナウンスが流れて、車内にいた参加者一同が『イエーーーイ!』と盛り上がりました。
Saint Quentin en Yvelines駅についたところでi藤さんと遭遇。I籐さん、余裕な感じっすねぇ~。
駅前にシャトルバスが待っていてくれてスタート地点まで運んでくれます。
スタート地点は乗馬クラブのすぐ横の芝生広場。天気は曇り。郊外はパリ市内より確実に3度は気温が低い!霧雨も少し降ってぶるぶる震えながらスタートを待っていました。
『走りこんでるぜぃ』という本気ランナーが多いのか?私みたいななんちゃってランナーは場違いで浮いちゃうかな?と思っていたけど、実際には女性参加者も多く年齢層も広い、「80km走り切れるの?」というようなかなりのぽっちゃりさん、どう見ても”スポーツしてます”って感じじゃないでしょ?という人もけっこういて(ちょっと安心しちゃったり~)。で、意外と軽装なランナーも多かったような・・・。
で、12時15分レーススタート! 湖、森、市街地。若干の上り&下り。序盤戦は比較的緩やかなコース。
《満》さんがランブイエトレイル大会の時(こちら)に寄ったVELO DROME NATIONALも通りました。
約2時間半で最初のチェックポイントの22km地点に到着。
ここでしばし休憩。まだまだ余裕あり。しっかり食べて飲んで。 つぎの給水所は55km地点。ここから33kmもあります。この区間が山場です。
再びえいッ‼っと走り始めて1kmもしないうちにきました!ものすごーい急坂。その先もとにかく上って下って、1本終わったらまた次の坂。いったい何回上って下るんだー。「いい加減にしてくれ~」。もはや普通にまっすぐ走れません。足はぶるぶる、膝はがくがく、急下りでは脱力して、木の根っこを避け石をよけ右・左・右・左・・・で手でバランスを取りながら・・・ひっこひっこ・・・、なんか走り方がひげダンスみたい・・・。
45km地点の給水所。(水のみ)
だんだん暗くなってきました。何とか明るいうちに55km地点にたどり着きたい‼‼‼‼
ここはパリエコトレイルすべてのレースの共通の給水所で、2年前に走った50kmトレイルの時にも通過した地点。あの時はまだ明るいうちに通過して、『桜がきれいだなぁ』なーんて感じる余裕もあったけど、今回は全くなし。っていうかなんにも見えないじゃないかー。でもここでもらったアツアツのスープは冷えた体に染みてありがたかった~。
ここから先はヘッドライトをつけて森の中をひたすら進むのみ。 もう何がなんだかわかりません。とにかく真っ暗。『ここまで何キロ走った~』とか、『ゴールまであと何キロ走ればいい』とか既に考えられません。転ばないように、ヘッドライトでわずかに照らされた足元を見ながらただ進むのみ。
寂しくて真っ暗な夜のサンクルー公園を抜けたら最後のチェックポイント67km地点。(暗すぎてまったく写真が写ってませんでした~)よっしゃー。ゴールが見えてきた~。
ここからは市街地。 ・・もう上りも下りもなくてセーヌ川沿いの平坦な道を進むだけ~・・・のはずなのに、さらにISSYのほうへ「わざわざ」それて上り坂を上らされたのは想定外で心が折れそうになりましたよ。もう走りたくても体がいうことをきかず。
でもでもようやく遠くにエッフェル塔が見えて、再び「うりゃーー」と気合を入れて再スタート。
多くの『ブラボー』の声援に迎えられて・・・。
50kmトレイルの時はエッフェル塔前でゴーール、でしたが、そう、80kmトレイルはエッフェル塔に上れるという特典(それとも更なる試練?)があるんですねーー。
1階(日本式の2階)でホントのゴーール!!
やったー!やったー!!走り切ったぜぃ!!
11時間19分の長旅でした。
エッフェル塔から見る(実はエッフェル塔に上るのはこれが初めて)パリの夜景、最高でした~♪
足はパンパン。でも今回も。ゴールしたら途中の苦しかったこと、あっさり忘れちゃいました。
うん、面白かった!!